Design Week Kyotoレポート~北川商店~


Design Week Kyotoレポートの第4弾、最終回は、まわたふとんの製造販売をされている、「北川商店」さんです。

まわたふとんは、カイコがつくる「まゆ」から作られるふとんです。

まずは、素材の違いを触って、体験です。

この4つの容器には、羽毛、麻わた、木綿わた、ポリエステルわたが入っています。

実際に比べてみると、特に天然素材と人工素材の違いは大きく、ポリはカサカサした感じがしました。

わかりにくかったのは、麻わたと木綿わた。なんとなく、麻ぽさと、綿のつぶつぶ感で判別がつきました。

木綿わたも、生産地の違いで、感触が違うこともわかりました。

いろんな素材がある中で、まわたふとんのいいところは、

・保温性と保湿性に優れていること、

・綿が切れて外に出ることが少ないので、アレルギー対策にもいいこと

→これは、まわたはまゆからつくりますが、カイコは糸を吐き続けて、一本のつながった糸でまゆを作ります。

 そのため、糸が切れて、ハウスダストの原因等にもなりにくくなります。

・まわたはタンパク質が豊富で美容効果があること

です。

まわたふとんができるまで

まわたふとんは、カイコがつくる「まゆ」から作られます。

カイコがさなぎになって、まゆになったものを煮出して、袋まわたをつくります。

ちなみに、この袋まわたは、レポート第2弾の桝屋髙尾さんで織物の糸に使われている、帽子まわたと同じものです。

呼び方はちがっていましたが、同じものから、ふとんも織物もできるんです。

袋のかたちをした、まわたを、2人で両端をもって、ふとんの長さくらいに引き延ばして、重ねていきます。

そうして、300枚以上重ねて、コーティングして、ふとんの中身が完成します。

表地は、羽二重などの生地や絞りを使います。

これを縫製し、まわたを入れます。

表地最後はまわたと表地を糸でとめて、完成します。

 

 

まわたカイロづくり

まわたふとんの製作工程をみせていただいた後、まわたのカイロづくりをしました。

ふとんでも使う、袋まわたを、まず、4~5枚に分割します。

最初は、分け方がつかめず苦労しましたが、

繊維がうまくはがれるところをみつけると、きれいにわけられました。

そのあとは、わけた1つ1つを、2人で1m以上に引き延ばします。

これは、まわたふとんを作る時に広げるのと同じ作業です。

引く感覚がとても気持ちよかったんです。薄く延ばしても、糸が切れず、広がっていきます。

これらをたたんで、重ねます。

最後は、これらを袋の中にいれて、完成です。

カイロを作るのに、大きく広げて、また小さなところに詰め込むので、

袋まわたのままではいけないのか?広げると何が違うのか?質問したところ、

大きく広げることで、空気を含むため、保温性が違ってくるとのことでした。

見学しての感想

まわたふとんに初めて触れて、まわたの感触のやさしさに惹かれました。

そして、織物と同じカイコから作られ、身につけたり、肌に触れるものが同じ素材でできていることがわかりました。

また、他の素材との違いがわかり、まわたのよさもわかり、いつも使うふとんなので、素材を考えて選んでいきたいと思います。

実際にまわたを引き延ばす体験もとても楽しく、カイロもできて、知識と体験の両方で、まわたに触れることができました。