Design Week Kyotoの工房見学のレポート、第1弾は、錫製品で有名な「清課堂」さんです。
錫製品ができるまで
原料の錫はかたまりで入ってきて、これを銀と混ぜて溶かします。
これで、25㎏くらい。

錫は250℃以上で溶けるため、家庭用コンロの火力くらいで可能だそうです。

そのため、工房の規模が小さくてもでき、住宅街でも工房を構えることができるそうです。
溶かしたら、それを型に入れて、冷やします。

固まるか、固まらないかくらいのところで、型から取り出すため、その見極めが難しいそうです。
そして、そのままにすると、表面がガタガタで汚れが入っていくため、削ります。
削ったあとは、外側に装飾として、金づちで模様をつけたりします。

茶たくの製作もみせていただき、こちらも、ふちを削って、完成です。

見学しての感想
見学に行って驚いたのは、工房の規模がこじんまりしていることです。
錫の特性や手作業の部分が多いことを聞くと納得しました。
ご当主が説明されている中で、いちばん印象に残ったのは、左手、特に薬指と小指が大事だということです。
削る時など、右手で削っているようにみえますが、実は左手で均等に回していくことが重要だそうです。
そのため、新人の職人さんは、くるみなどを左手の中で回す練習をされるそうです。
くるみは、1つができたら、2つ、3つと増やしていくそうです。
こうすることで、左手で同心円状に回せるようになるとのことでした。
また、錫はやわらかく、曲がりやすい特性がありますが、あまり曲げない方がいいようです。
針金のようにポキッと折れてしまうそうです。
今まで、お店で商品としてみたり、実際に使っていますが、初めて作る工程を知って、
ひとつずつ丁寧に削ったりしながらできあがっていくことがわかりました。
これを知った上で、また完成品をみると、見る目が違ってきそうですし、
きっと、工房見学のことを思い出して、細部まで注目してみると思います。