DESIGN WEEK KYOTO2020レポート、その2は、田中直染料店さんです。

田中直染料店さんは、1733年創業、280年以上続く老舗の染料材料の専門店です。
地下鉄五条駅にほど近い、烏丸松原を東に入ったところにあります。
わたしは何度も前を通っていたと思いますが、あまり意識していなかったこともあり、今回初めてお店の存在に気付きました。
DESIGN WEEK KYOTOでさまざまなところを訪れて思うことのひとつが、いつも通っていたのにお店や工房に気づかなかったということです。
基本的にモノづくりに専念されているところは、一般消費者があまり立ち寄らないのものありますが、いつも通る道に新たな発見をした気がしてうれしくなります。
染料づくり
今回のDESIGN WEEKでは、普段立ち入ることのできない、染料の配合現場を見せていただきました。
原色の色を混ぜ合わせて、新たな色を作るという工程です。

まずは元の色の入ったものを、順に容器に入れていきます。

そして、混ぜ合わせて出来上がり。

最後の配合は、混ぜ合わせるだけですが、原料を混ざりやすくしたり、染めやすくするために前段階で加えるものが大事だそうです。
この時教えていただいて初めて知ったことは、染料は重さ、グラム単位で販売されているということです。
リットルや体積ではなく、グラム。これは、体積等だと季節によって変動するからだそうです。
一般に販売されている食用油もグラム単位とのこと。知りませんでした。
そのため、販売されている染料なども、同じボトルに同じ重さ入っていても、中身によって、見た目の量が違っているそうです。
藍のような天然染料の場合、染まりやすくするために入れる媒染剤(鉄、スズ、アルミなど)によって、色が変わることを知り、とても面白いと思いました。

カンタンにレンジで30秒で染められるものもあるそうで、カラフルできれいです。

見学してみての感想
今回、染色の材料という今まで出会ったことのないところへ伺いました。
ていねいに説明していただき、いろんな質問に答えていただき、染料の多様さや色の変化のおもしろさを感じ、興味が出てきました。
染色をしたことがないですが、おもしろそうかもと思えてきましたし、色への関心が高くなりました。
わたしにすぐ起こったプチ変化としては、化粧品のアイシャドウ、今まで元々の色としてしか使っていなかったのですが、混ぜてみようかなと思い立って、混ぜて色をのせてみました。
今までない、色になりました。またやってみようと思います。
ちなみに、田中直染料店は小売りもされています。
さまざまな染料や、染める生地(白いハンカチ、Tシャツ、絹の生地など)などもたくさんあるので、未知の世界、のぞいてみてください。