今回も、きもの学・京都での講座から、特に印象に残ったお話を。
ゑり善主人の亀井邦彦さんの「呉服屋おやじの独り言」、
西陣坐佐織の佐竹美都子さんの「結びのおはなし」、
京都産業大学准教授のベレッキア・ディエゴさんの「きものが語るものがたりー能舞台の主人公たちと装束」、
この3つのお話について、書いていきます。
ゑり善主人の亀井邦彦さんの「呉服屋おやじの独り言」
呉服屋の家に生まれた主人の、小さい頃からの着物との関わり、毎日きものを着ていて思うこと、日々の商売の中での出来事など、
エピソードを交えてお話がおもしろかったです。
きものの魅力について、「よくわからない、それがホントの魅力じゃないか」というお話は、共感できました。
ひとことではっきり言えないというか、居心地、ただずまいが気持ちいいという言葉も使いながら、
日本人のDNAで感じるというところとおっしゃっていて、そうかもしれないと思います。
わたしも以前聞かれたことがありますが、答えに困ってしまった経験があり、今度聞かれたら、そう答えてもいいんだと思いました。
また、花嫁衣裳のお色直しは、着物だけの場合、白→赤→黒と決まっているということは初めて知りました。
白は、死に装束で、今までの人生・命を実家においてくる意味があり、
赤は新しい家で新しい命をもらうということ、
黒は何をかけても変わらない色で、わたしは変わりませんという意味とのこと。
たしかに、最近は家から家へと嫁ぐ意味合いが薄れつつありますが、衣裳にそれぞれの意味が込められていることを学びました。
西陣坐佐織の佐竹美都子さんの「結びのおはなし」
オリンピックに出たアスリートが社長というのが驚きでした。
2004年のアテネオリンピック、セーリングで出場されたそうです。
背が高くすらったとした、きれいな方でまったくわかりませんでした。
個人的にはアスリートの方が好きなので、とても親近感がわきます。
模様と文様のちがいは、特別な意味がなくても、柄として使われる模様に対して、はっきりとした意味やいわれのあるのが文様とのこと。
天皇陛下など特別な位しか付けられない「桐竹鳳凰」、思いや願いがこめられた「松竹梅」、有職文様など、
さまざまな文様についての由来・意味などを聞き、なにげなく見ている中から感じ取れるメッセージや情報があることがわかりました。
以前から文様についてはもう少し詳しく知りたいと思っていたので、これから調べてみたいなと思っています。
京都産業大学准教授のベレッキア・ディエゴさんの「きものが語るものがたりー能舞台の主人公たちと装束」
未知の世界、能装束についてのお話でした。
能は舞台はシンプルで、セリフも多くない中での表現ということで、
装束やその身につけ方(着付けの仕方)でストーリーの表現をしているということがわかり、おもしろかったです。
実際の演目を見ながら、装束から読み取れる情報を解説していただきました。
おそらく今までも、なんとなく感じ取っていた部分はあるとは思いますが、特にそこに注目してみていたわけではありませんでした。
いつのまにか、眠気が襲ってくることが多々ありますが、今度から目を見開いて、注目してみてみようと思います。