今回は、革堂(行願寺)の屋根、天井をご紹介します。
革堂(こうどう)は、正式には行願寺といい、京都御所の南東、寺町通沿いにある、天台宗のお寺です。
西国三十三所の第19番札所で、都七福神めぐりの寿老人でも知られています。
革堂の由来
行願寺を開いた行円は、仏門に入る前は狩猟を業としていました。
ある時、山で身ごもったメス鹿を射たところ、そのメス鹿のお腹から、子鹿が誕生するのを見て、殺生をやめ、仏門に入りました。
行円は、そのメス鹿の皮を常に身につけていたことから、革聖(かわひじり)と呼ばれ、お寺も革堂と呼ばれるようになりました。
当初は、京都御所の西にありましたが、豊臣秀吉による都市計画によって、現在の地に移転しました。
秀吉は、京都御所や都の防衛のため、寺町通に各寺を移転させたため、寺町通にはその名の通り、お寺が南北に点在しています。
本能寺の変で有名な本能寺も、焼失後、寺町通に移転して、現在に至っています。
革堂の屋根・天井のみどころ
まず、天井は、門を入って真正面にある本堂です。

暗くて見にくいですが、お詣りした後、本堂の中をのぞいてみてください(通常、外からしか見られません)。
この本堂の天井は、格天井になっていて、見事な木彫りの花などの絵柄になっています。
絵になっているところは、たまに見かけますが、木彫りは珍しいです。
190枚以上あり、すべて絵柄が違うそうです。
いつも行くと、しばし、見入ってしまいます。
本堂内は写真撮影禁止なので、ぜひ、実際に見てみてください。
見事な鬼瓦と反り
そして、本堂を正面に左手に進んだところにある建物がこちらです。

見事な鬼瓦と、バランスの取れた反り具合。いかがですか?
中心に鬼瓦があり、目に飛び込んできます。


上下で表情も違い、口を閉じていたり、開いていたり、表情豊かです。
この革堂は、地域で愛されている感じがして、たまにふらっと訪れたくなるお寺です。
特に拝観料もないので、気の向いたときに、屋根・天井を眺めに行きます。
普通に行けば、なんてことないように見えますが、ちょっと目を凝らして、ちょっと奥まで入って、屋根・天井も見てみてくださいね。