少しずつ、色づいていく木々の葉をみて、待ち遠しい紅葉。
今回は、紅葉のメカニズムについて。

どうして、秋になると、葉っぱは赤や黄色になるのか?
毎年のことで、あまり自然だと思ってしまいますが、そもそもなぜ紅葉するのか、気になって調べてみました。
紅葉は、気温が8℃以下になると始まるといわれています。
秋になり、太陽の光が少なくなり、気温が低くなると、葉の中の光合成の働きが弱くなります。
そうすると、木は、葉を不要なものと判断して、落とす準備を始めます。
具体的には、葉の根元と枝の間に、「離層」という細胞の層を作ります。
この離層ができると、木から葉に栄養がいかなくなり、葉の葉緑素(クロロフィル)が壊れて、アミノ酸へ変化します。
同時に、葉では、糖分が枝に運ばれず、葉に溜まります。
そこに、日光が当たると、葉緑素が壊れてできたアミノ酸と糖分の間に、化学反応が起き、
アントシアニン(ポリフェノールの一種)という赤い色素が作られていきます。
これが、赤色の紅葉です。

黄色になるのは?
葉が黄色になるのは、緑色の葉緑素が壊れていくにつれ、
緑色の色素の影に隠れていたカロチノイドという黄色の色素が葉の表面に現れてくるからです。

美しい紅葉の条件
美しい紅葉になる条件は3つあります。
①日中の天気がよいこと
②昼夜の寒暖の差が大きいこと
③適度な雨や水分があること
この3つがそろうと、いっそう色づきがよくなるそうです。
紅葉の心理的効果
紅葉の暖色系の色は、人間の交換神経を刺激して、体を温めたり、ポジティブな感情になる効果があります。
寒くなっていき、ふさぎがちになる中、本能的に元気を取り戻そうと、紅葉をもとめるのではないかという説もあるそうです。
それ以外にも、脳が食べ物の熟した色と判断して、熟れた果実を見た時と同じように心が満たされるともいわれます。
木々が冬への準備として、葉を切り離すことから生まれる紅葉。
ひとつひとつの葉の中で起こっている自然の変化を知り、紅葉を心ゆくまで眺めて、あたたかな色にパワーをもらってみてはいかがでしょうか。