京都迎賓館をガイドツアーで拝観しながら、事前に調べたことも思い出しつつ、実際に内部を見て回ります。
全体的な印象は、すっきりとした和風建築で、主張しすぎず、心地よい空間だと感じました。
マニアックですが、屋根・天井特集
かなりマニアックなこともわかっていますが、最近気づいてしまったことで、わたしは屋根・天井好きだということ。
きれいな曲線、凝った天井など見ると、見とれてしまいます。
ということで、まずは、京都迎賓館の屋根・天井特集。
正面玄関の、なだらかにカーブした屋根たちです。



屋根の形、曲線で、建物の印象が大きく変わるように思います。
なだらかなカーブしで、おおらかなどっしりした印象を受けます。
そして、正面玄関の突き出した屋根の天井です。

外に向かって広がりを感じる、そとから入ると、玄関へ収束していくような印象になっています。
室内の廊下天井は、外(庭)に向かって斜めに下がっており、自然と庭に視線が行く設計だそうです。

こちらは、建物をつなぐ廊橋が池の奥に見えます。これも、なだらかな曲線を描いています。

上の写真の、左右にある柱は、建築責任者が屋根とともに最大のポイントにあげています。
この柱、実は鉄骨です。あまりに和風建築に溶け込んでいるので、気付きにくいですが。
この柱で、建物を支えないといけないですが、あまりに太いと和風の感じを削いでしまうので、その形にとても苦労されたそうです。
そして、これが廊橋の屋根です。船底をイメージしたものでだそうです。
この曲線もきれいに伸びて、気持ちいいです。

そして、廊橋から見た建物の屋根です。


建築において、屋根の線は建築美の生命線なので、30回以上の検討会が開かれ、
現場で検討した中で、もっともエネルギーの入ったポイントだったそうです。
屋根はステンレスでとても硬いため、モックアップという原寸模型を何度も作り直し、検討されました。
建物全体についていえば、耐久性などの見地から、鉄骨コンクリートなど現代の素材を用い、
どう和風建築らしさを出していくかにとてもこだわって作られた建物だと思います。
一見すると和風らしさだけを感じられるのは、建築に関わった方々の技、美的センスの結晶だと思います。