令和の時代になり、京都の中でも、京都御所あたりは注目の場所かと思います。
その中でもいちばん新しい建物、京都迎賓館をご紹介します。
京都迎賓館とは
京都御所の東側にたつ、外国からのお客様などをもてなす場である京都迎賓館。
2005年に、平安遷都1200年を記念して迎賓館の構想が始まり、建設されました。
東京赤坂の迎賓館は洋風建築であるのに対し、京都迎賓館は伝統の技に現代性を取り入れたモダンな和の建築です。

京都迎賓館の建つ敷地は、昭和天皇の即位大礼の際、饗宴殿という、お客様をもてなす宴会のための建物があった場所で、
大礼の儀式終了後は解体され、その後はグランドゲートボール場として使用されていました。
京都迎賓館に行く前に
最近思うことですが、せっかく見に行くのならば、
その前に、背景や建てた人など、人の思いや苦労を知っておきたいと思い、いろいろ調べました。
なかなか現地だけでは、時間の限りもあります。
目に見えるものだけではなく、そこまでになる背景を知っておくと、格段におもしろくなり、感動するところもたくさんあります。
個人的にいちばんおもしろかったのが、この本です。

京都迎賓館をつくるために結集された京都の伝統技能の匠などが、思いや完成までの苦労などを語っています。
数々の名建築、名品を創りあげてきた最高の匠でも、たくさんの苦労があり、寝られない毎日、うなされる毎日を送ってこられたことがわかります。
そんな視点で、目の前にある完成された空間、建築をみると、少しは作り手に寄り添ったところからみる感動があります。
京都迎賓館を建てる際は、初めて「コストオン方式」という形で発注が行われました。
これは、発注者が各職人さんと個別に発注価格を決定した上で、建設会社(元請)との契約額に反映させる方法です。
この方法は作り手を決め、「人」をつかまえたいという狙いがあり、各職人さんが持てる力を存分に発揮できる方式です。
元請からのトップダウンでなかったことも、素晴らしい建物を建てる上では重要なことだったと思います。
次は、京都迎賓館にかかわった京の最高の匠たちの心意気編です。