わたしの密かな趣味である、屋根&天井。
曲線や細工などをずっと見ていたくなる美しさとの出会いを求めて、いつも上を見て歩いています。
ここでは、わたしの屋根&天井への思いを語ります。
屋根は建築美の生命線
これは京都迎賓館の建築家の方の言葉で、京都迎賓館を建設する際、現場で検討した中で最もエネルギーを使ったのが屋根だそうです。
屋根の形・曲線、素材によって、建物の印象が大きく変わるからです。

屋根は大きくわけて、「反り(そり)」と「むくり」があります。
「反り」はお寺の屋根によくある形で、
それと対照的な、なだらかな山のような曲線が「むくり」(上記写真、京都迎賓館の屋根)です。
個人的には、このむくりの曲がり具合がいい建物は本当に美しく、柔らかい印象を与えてくれるので好きです。
ちなみに、建築の際も、直線ならばより簡単にできますが、
反りやむくりにすると、その曲げ度合いをみながら作らないといけないので、
素材選びから手間と時間がかかります。
天井もあなどるなかれ
建物に入っても見上げたりしないので、いちばん目立ちにくいところが天井ではないかと思います。
しかし、そんな目立ちにくいところにまで、細かな細工や装飾をするというのは、思い入れやこだわりがある証拠だと思います。
お茶室でいえば、お客さんが座る席の上の天井と亭主が座るところの上の天井で違いがあったり、
高さが違う(お客さんが座る席の上の方が高くなっている)こともあります。
お城であれば、大名のお殿様が座る場所の上は、格天井と呼ばれる他の天井より格の高い造りになっています。
ということで、天井を見上げてみるのもおもしろいですよ。
ただ、ずっと見ていると、首が痛くなるのでご注意を。
なかなか写真が取れるところが少ないので写真で紹介しづらいのが残念ですが、
ぜひ建物を造った人のこだわりを感じてみてください。
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