嵯峨の厳重な鬼瓦と、反りとむくりの共存する大乗閣


今回は、嵯峨にある鹿王院と大河内山荘をご紹介します。

 

嵯峨の厳重な鬼瓦

鹿王院は、足利義満が、1379年、春屋妙葩を開山として建立した宝幢寺という塔頭です。

応仁の乱によって、宝幢寺が廃絶し、この一院だけ残りました。

 

この鹿王院では、舎利殿の鬼瓦をご紹介します。

 

二層になっており、なだらかな曲線を描いていますが、先端には、鬼が二段構えでにらみをきかせています。

先端に鬼がいることはよくありますが、鬼が二重ににらみをきかせるのはなかなかレアです。

しかも、二層ともなので、厳重なこと。

軒先で見えにくいですが、見つけるとおもしろいですよ。

 

昭和の大スターこだわりの別荘、大河内山荘

大河内山荘は、嵐山にあり、時代劇で活躍した昭和の俳優、大河内傳次郎が30年かけて別荘として造営しました。

 

今回は、その中の大乗閣をご紹介します。

大乗閣は、国登録有形文化財で、一段高台にある別荘のコアとなる建造物です。

書院造・寝殿造・数寄屋造といった日本の伝統的建築様式を組合わせた近代和風建築です。

写真右側は、見事な反りの屋根、そして、左側は穏やかなむくりの屋根と、

反りとむむくりという相対するものを共存させている建物です。

どちらかだけというのはよく見かけますが、

反りとむくりが同一建物で組み合わされ、バランスがとれているのはレアではないかと思います。

 

大河内山荘はほかにも建物が点在していて、回遊式庭園になっています。

高台からは、保津峡や嵐山、比叡山が見え、景色も楽しめます。

 

嵯峨の鹿王院と大河内山荘、どちらも静けさを感じられる素敵な場所です。

ぜひ一度訪れてみてくださいね。