陶器のまちで出会う、名刹とタイルの天井


今回は、岐阜県多治見市の屋根・天井コレクションをご紹介します。

 

まずは、虎渓山永保寺。

観音堂と開山堂は国宝に指定され、池泉回遊式庭園は国の名勝に指定されています。

この永保寺は、夢窓疎石が開創です。

夢窓疎石は京都では、世界遺産の西芳寺・天龍寺の庭園を設計したことで有名です。

写真、左側の建物が国宝の観音堂で、南北朝時代(1314年)に夢窓疎石が建てられたものです。

臨済宗のお寺で、禅の質朴な印象を強く受けます。

また、屋根の先端の急な反り具合がとても特徴的で、

上屋と裳階反り方の角度の違いによって、どっしりとした安定感と、のびのびした雰囲気を感じます。

 

陶器の街ならではの天井

次は一転して、現代の建物です。多治見市周辺は、美濃焼で有名な陶器の街です。

そこで、展示会などがよく行われる、セラミックパークMINOの入り口をご紹介します。

駐車場から建物へ続く、長い道がこちらです。

天井にはりめぐらされた、タイルのかけらたち。

オブジェのひとつとして、主張しています。陶器の街に来たなあと実感します。

 

ここでは、数年に1回、国際陶磁器フェスティバル美濃というイベントをやっています。

世界各地から現代のアーティストたちが陶器の作品が並び、こんな表現の仕方があったのかと驚きがいっぱいです。

次回の開催は、2020年9月18日~10月18日の予定です。

国際陶磁器フェスティバル美濃
世界最大級の陶磁器コンペティション「国際陶磁器展美濃」を中心に、多治見市、土岐市、瑞浪市で陶芸関連の様々なイベントが行われるトリエンナーレ。

 

そこへ行くと、タイムスリップしたような静かな名刹、永保寺と、

陶器の街ならではのセラミックパークMINO、

対照的な2か所ですが、どちらもそれぞれのよさのある、味のある屋根・天井です。