今宮神社は疫病退散の神さま

あぶり餅が有名で、時代劇のロケでも登場する紫野にある今宮神社。
近くには、大徳寺や船岡山があります。
この神社は、平安時代初期、疫病を祓うために疫神を祀ったのに由来し、1001年の疫病流行時に、神殿を造営し、今宮社と名付けられたことにはじまります。
京都三大奇祭の「やすらい祭」とは?
今宮神社で毎年4月第二日曜におこなわれているのが「やすらい祭」です。
やすらい祭は、平安時代、花散る頃に疫病がはやり、これは疫神が花とともに飛散すると信じて、花の精を鎮め、無病息災を祈願したことにはじまります。
「やすらい」とは、「花鎮めの祭」で、平安時代は「安良居」や「夜須礼」と表記されており、安らかにという意味がこめられています。

やすらい祭は、風流傘を中心に、赤毛・黒毛の鬼をはじめ、約20人の行列が、街からお囃子に合わせて踊り歩き、御幣を奉じて神前へと向かいます。
疫神は、春の精にあおられ陽気の中で飛散するといわれ、お囃子や踊りによって疫神を追い立てて、風流傘へと誘い、神社へと送り込みます。
花傘に宿った疫神は、摂社疫社へと鎮まり、この一年の無病息災をお祈りします。
祭の中心は「花傘」。

「風流傘」(ふりゅうがさ)ともいって、約180㎝の大傘で、若松・桜・柳・山吹・椿を挿して飾ります。
この傘の中に入ると、1年間厄をのがれて健康に過ごせると云われています。
わたしも以前、お祭りに行き、ちゃんと傘の中に入って、健康に過ごせました。
そして、今宮神社の境内では、8人の大鬼が大きな輪になってやすらい踊りを奉納します。

神前へと向かい、激しく飛び跳ねるように、そして緩やかに、“やすらい花や”の声に合わせ、安寧の願いを込めて踊ります。

わたしもはじめてみた時は、赤毛の鬼の姿、そして踊り方が独特で、奇祭といわれるだけあって、とても印象的なお祭りでした。
お祭りの雰囲気はこんな感じです。
あぶり餅で疫病退散

今も門前で売られているあぶり餅は、古くから祭りの名物として知られていました。
やすらい祭の花傘は数人が入れるほどの大きさで、大きくないため、中に入ろうとしても人があふれ、みんな入れないため、代わりにあぶり餅を食べたという話も。
あぶり餅に使われる竹串は、今宮神社に奉納された斎串(いぐし)で、これを食べれば、疫病が祓えると伝えられています。
向かい合う2軒、どちらが美味しいとよく聞かれますが、これは好みだと思いますので、おなかに余裕を持って行って、食べくらべてみてはいかがでしょうか?
今年のやすらい祭は、4月11日(日)ですが、残念ながら、一般観覧は中止です。
ただ、平安時代から疫病退散への思い、願いはおなじですので、この時期に今宮神社にお詣りして、
無病息災で過ごせるようにと願いながら、あぶり餅を食べてみてはいかがでしょうか?
やまひょうのイベントのまち歩きもあります。

【今宮神社】
住所:京都市北区紫野今宮町21
アクセス:地下鉄烏丸線「北大路駅」下車 徒歩約20分またはタクシー約5分